2010/03/15

連載 撮影回想4 「撮影最終日」


「撮影最終日」

早くも最終日の話題。
12月12日にクランクインして14日目の12月25日のクリスマスにクランクアップ。間に撮休が3回あってトータル11日間の撮影。制作部の粋なはからいで24日のクリスマスイヴも撮休になっている。

というか、この24日の撮休は僕から制作部にお願いしていた。
翌25日の撮影は映画のラストシーンのみの撮影で、それに向けて集中力を高めたい!というのも、「クリスマスイブはスタッフみんないろいろあるだろうし」ということを考慮したというのも嘘で、ただ単にラストシーンのプランを決めかねていたのが正直なところ。言い訳をすると、ロケ場所をなかなか決めることができず、結局撮影中までロケハンが続いたのが原因といえば原因だが、これも自分の優柔不断さからきたもの。

ロケ場所はいくつか候補があったが、結局最初の撮休で見つけた芦屋の人工島に決めた。住宅の建設がすすめられていて、道路だけできていたがそれ以外はほとんど空き地のままで、遠くに芦屋の街が見えるというロケーション。多分、撮影がすこし前後していたらこのロケーションはなかったし、撮影する事自体無理だったかもしれない。その点ラッキーだった。


空き地の向こうにマンション群。

このロケ地を得て、シナリオ9ページ分を1カットで撮るというプランを採用。
撮影当日は朝から14時くらいまで段取りをやっていた。その段取り中、主演の苧坂くん(裕人役)が車にはねられるという際に、道路に頭を思い切り打ちつけてしまった。当然実際に車にはねられるわけではないが、カメラ側から見ているとそう見えるので、苧坂くんが倒れ込んだ時にはホントにぶつかってしまったのではないかとヒヤッとした。しばらく動けず、その日の撮影は中止にすることも検討されたが、苧坂くんは「できますよ」と断固ゆずらない。草食系男子とか言われる外見かもしれないが、実は芯が野太い。おかげで撮影は続行。


休憩時の苧坂くん。


テスト中。(左)苧坂くん(裕人役)、(右)長綾美さん(明子役)


カメラで遊ぶ藤本七海さん(沙樹役)


劇中車と西村仁志(徹役)


(左)渡辺大介さん(安田役)、(右)デカルコ・マリィさん(昭二役)


撮影スタッフ

沈んでいく太陽を気にしながら、なんとか予定していたカットを撮り終える。
片付けを終えた頃にはすっかり日が暮れていた。

そして、撮影中にたまった何だかんだを爆発させるため、クリスマスで賑わう大阪の街になだれこんだ。

打ち上げ時の写真を掲載しようと思ったが、美術とスチールを担当していた内堀義之(俗称|ボリ)は打ち上げ番長でもあるので撮影どころでなかったために写真があまりないのと、あっても映っている人の今後に著しく影響する恐れがある写真ばかりなのでやめておきます。

変わりにこの日撮ったシーンからのキャプチャスチール。






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撮影日|2005年12月25日(日) 撮影14日目
ロケ場所|芦屋市 涼風町
撮影シーン|S#53
出演者|苧坂淳 藤本七海 デカルコ・マリィ 長綾美 渡辺大介 西村仁志
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文:板倉善之

2010/03/08

漫画連載 にくめ、ハレルヤ!のにくめない出来事たち 第二回


第二回 「珍獣ボリの優しさに包まれたなら」
P.1


P.2


<次回予告> ============================

第三回 「美形は何をしても様になる」(仮題)
主演・苧坂淳を巡る女子的妄想エピソード
3月22日(月)掲載予定


<著者紹介> ============================


岡藤真依
乙女座B型。
漫画家、イラストレーター。
2009年 Lマガジン社「Lmagazine」漫画掲載
2010年 フリーペーパー「apt」イラスト掲載
他様々な媒体で活動中
岡藤真依のブログ

http://okafujimai.blog.ocn.ne.jp/

2010/03/01

連載 撮影回想 3 「美術」


「美術」

大学時代、粗大ゴミのでる日はよく大学周辺をうろついた。
映画の美術に使えるものをタダでゲットするというのが大義名分で、映画の制作シーズンになると夜な夜な粗大ゴミ争奪戦が繰り広げられていた、かどうかはあまり覚えてないが、友人の家に元粗大ゴミのカッコいい机が置かれていた時は妙なくやしさがあった。
片田舎でおくる大学生活の単なる暇つぶしだったかもしれない。

『にくめ、ハレルヤ!』は、そんな大学生活から抜け出して数年後に撮影した映画だが、「欲しいな」と思った美術道具を全てお金で解決できるほどの美術予算はなかった。そんな中で美術を担当してくれたのは、大学時代やはり最初に書いたように粗大ゴミを漁りながら数々の映画美術を成立させてきた内堀義之(俗称:ボリ)という同じ大学の後輩。

一つよく覚えているのは、彼と『にくめ、ハレルヤ!』の準備中、車で大阪市内を走っている時のこと。急に「止めて下さい」と車をとめて、まっすぐ電柱の下に捨て置かれたゴミの固まりに駆け寄り、大量の卵パックをもって戻ってきた。「これ使えますよ」と誇らしげだった。

そして、それは下記のように使用された。
主人公・裕人の部屋の美術記録写真。壁に貼付けてあるのが、その時の卵パック。音楽をやっている設定だったので、防音用に使用しているという体で使用された。撮影後、この卵パックは裕人を演じた苧坂くんが自宅の防音に使うと言って持ち帰った。

この写真の反対側はこんな風。
彼女と同棲している設定なので、女性が暮らすような雰囲気も。
左上にかかっている絵は、美術助手だった岡藤真衣さんが書いてくれた。
岡藤さんはこのブログで漫画を連載している。

この部屋での撮影。真ん中の女性は、主人公の彼女・明子役の長綾美さん。

この部屋以外に、「某NPOの事務所で、今ではあまり使用されていない」という設定の部屋なんかも作りこんでくれた。雑然と散らかる品々はどこからやってきたのか。

この写真手前に映っているのは、椅子の上に乗せた反対にした椅子の足の部分。これを見た僕が思わず言った「虫みたい」という発言にボリが異常に反応し、その後の撮影中、彼は事あるごとに「虫みたい」と連呼していた。当時は小学生男子が「ムシキング」に熱中していた頃だったかもしれない。

今ではゴミを捨てるにも何かとややこしく、お金をとられたりするケースもあるので、大学時代のような粗大ゴミ漁りも難しいのかもしれない。 あんまりやりたくないけど。

文:板倉善之