2010/02/26

映画『GHOST OF YESTERDAY』(監督|松野泉)上映情報1

「京都インディペンデント映画の軌跡」という特集で、『にくめ、ハレルヤ!』の録音・松野泉さんの監督作品『GHOST OF YESTERDAY』が上映されます。(『GHOST OF YESTERDAY』の上映は12日、21時から。)

主演は『にくめ、ハレルヤ!』にも出演している西村仁志さん。最近、声優として大活躍中の寿美菜子さんと兄弟役を演じられています。また撮影の高木風太さん、共同脚本・制作の伊月肇さんなど『にくめ、ハレルヤ!』のスタッフも数多く参加しています。

京都インディペンデント映画の軌跡

場所|京都みなみ会館
日時|2010年3月11日(木) 12日(金) 13日(土)
企画|RCS http://www.rcsmovie.co.jp/

プログラム
■3月11日(木)
20;00- 『赤い束縛』(監督|唐津正樹)
監督トーク
22;00- 『吉野葛』(監督|葛生賢)

■3月12日(金)
20;00- 『痴食』(監督|佐々木育野)
監督トーク
21;00- 『GHOST OF YESTERDAY』(監督|松野泉)

■3月13日(土)
18;10- 『紅葉』(監督|山崎樹一郎)
19;10- 『へばの』(監督|木村文洋)
監督トーク
21;20- 『京極真珠』(監督|佐藤訪米)

『イエロー・キッド』(監督|真利子哲也)
3月11日(木)〜13日(土) 16;10-
3月14日(日) 18;10-

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『GHOST OF YESTERDAY』
2006年/128分/DV/16:9
第30回ぴあフィルムフェスティバル 審査員特別賞、企画賞
監督|松野泉 脚本|松野泉、伊月肇 撮影|高木風太
出演|西村仁志 寿美菜子 玉置稔 原尚子

あらすじ
高校生の文子の母は、夫に先立たれ、記憶と精神に障害を抱えていた。ある日、兄の徹が働くリサイクルショップの経営者・康治を、母が「お父さん」と呼んだことから、文子は康冶に母の夫として振舞うよう依頼する。康治を加えた4人による生活が始まった。見違えるように母は元気を取り戻すが、無理のある生活と、母を騙し続ける文子に兄の徹は納得できなかった…

2010/02/22

漫画連載 にくめ、ハレルヤ!のにくめない出来事たち 第一回


第一回 「美形揃いの現場で、私の心は震えた」
   

                                 
<次回予告> ============================

第二回 「珍獣ボリの優しさに包まれたなら」(仮題)
美術監督・内堀義之(俗称ボリ)を巡って膨張する女子的妄想
3月8日(月)掲載予定


<著者紹介> ============================

 
岡藤真依
乙女座B型。
漫画家、イラストレーター。
2009年 Lマガジン社「Lmagazine」漫画掲載
2010年 フリーペーパー「apt」イラスト掲載
他様々な媒体で活動中
岡藤真依のブログ

http://okafujimai.blog.ocn.ne.jp/

2010/02/15

連載 撮影回想 2 「撮影初日」


「撮影初日」

初日のことを正直あまり細かく覚えてないので、撮影時の資料を頼りにする。


撮影時の香盤表(※1)を見てみると初日は大阪・上本町にある吉野旅館を借りての撮影。ロケ地の移動もなく撮影シーン数は6シーンとスケジュール的には割と軽め。多分制作部が「初日だし」ということで、こういうスケジュールにしてくれたのだと思う。

続いてスクリプト(※2)を見返すと

「3階の窓から沙樹(藤本七海)が放り投げた荷物を下にいる裕人(苧坂淳)が受け取る。 3階から沙樹がおりてきて、裕人と歩いていく。」

というカットを何十テイクも撮って翌日苧坂くんが腕に青あざをつくっていたり、その撮影中、

「あ!テレビ戦士(※3)の七海ちゃんや!」

とはやす中学生グループに無駄にイライラしたり、ということなんかが思い出されるが、なによりこの日 S#26 を2回撮っているのが気になる。

日々スケ(※4)だとこの日の撮影順は

S#26 → S#30 → S#33 → S#27 → S#25 → S#34

S#27 はオミット(※5)している。
それはいいとして、スクリプトの実際の撮影記録を見ると

S#26 → S#30 → S#33

と撮影して、もう一度 S#26 を撮っている。

これは撮り残しがあったわけでなく、 S#26 のカットをまるまる撮り直している。スクリプト備考欄には「照明つくり直しのため」とある。
たしか、出演者にあたる光の設定として「洗面所からもれる光」というのを照明で作っていたが、次に同じ場所で撮影した S#30 ではその照明をなくした。「S#26も照明ない方がよかったのか」とどこかでひっかかりながら S#33 撮影し、その後に S#26 を撮り直した、とスクリプトを見るとそういうことだったように思うのだが、とはいえ1度はOKを出していたわけで、じゃあそのOKは何だったんだ?ってことになる。

照明がある S#26 撮影中の現場スチール

左端に映るのが洗面所。そこからの光がもれている設定で出演者に照明を当てていた。

撮り直した S#26 と同じ照明の S#30 撮影中の現場スチール

当然のように撮影したカットに対して「OK」とは監督である自分以外誰も言わない。たしかにこのカットは照明の感じが何か違うな、と考えたのは思い出せる。洗面所の照明があると画がベタッとして嫌だったのだが、ではなぜベタッとしてるのが「違う」のか。その「違う」を明確に説明できた覚えはない。どこかで感覚的なものに頼っていたかもしれない。

映画の現場を離れても「なんかいいじゃん」とか「よくわかんないけど好き〜」みたいなことを耳にしたり、また自分でもいったりすることがあるが、これは感覚的なものをよりどころにした言葉だと思う。あらゆることを言葉で正確に捉えたいわけではないけれど、感覚的なものに頼りすぎるのは危うい。最近、感覚的なものの危うさ、というのをとっかかりに映画の企画ができないかと考えていたりもする。

撮影したカットからのキャプチャ・スチール S#26

撮影したカットからのキャプチャ・スチール S#25

撮影したカットからのキャプチャ・スチール S#33

この日撮影にご協力いただいた吉野旅館をご紹介。

「吉野旅館」
大阪天王寺区にある宿泊施設で、1人利用で1泊6,300円。2人利用で1人あたり4,800円、さらに3名利用で1人あたり4,300円とリーズナボー。都心にも近くビジネス、観光に最適。来阪の際は要チェック。
住所|大阪市天王寺区上本町8-4-18
TEL|06-6711-4164
FAX|06-6711-6362
HP| http://www.cacgr.com/yoshino/index.htm


□注釈
※1 香盤表…全体の撮影スケジュールや、どの日にどこでどのシーンを撮影するかとか、誰が出演するのかがわかる表。

※ 2 スクリプト…撮影カットのOK/NGはもちろん、カメラ内に映っている小道具やら衣装やらありとあらゆるモノを記録したもの。撮影時にこれがないと、 「あれ?さっきのカットってリモコンは人の右側にあったっけ?左側だっけ?」みたいなことで困る。編集時もこれがないとつらい。
この仕事をする人が スクリプター とか 記録 とクレジットされる。
『にくめ、ハレルヤ!』の記録担当は、京都・木屋町のジャズバー・JAZZ IN ろくでなしのドキュメンタリー『ろくでなし』を監督した園部典子さん。

※3 てれび戦士…NHKの番組「天才てれびくん」に出演する子役をこう呼ぶ。当時、藤本七海さんは「天才てれびくんMAX」に出演していた。

※4 日々スケ…その日ごとのスケジュール表。一般的にこう呼ぶかは知らない。

※5 オミット…除外すること。この文中の場合 S#27 がシナリオから消えてなくなること。つまり撮影してない。

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撮影日|2005年12月12日(月) 撮影1日目
ロケ場所|吉野旅館
撮影シーン|S#26 S#30 S#33 S#25 S#34
出演者|苧坂淳 藤本七海 森川法夫
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文:板倉善之